▼過去11回のうち、JRA8勝、地方3勝。地方側で勝ったのはオリオンザサンクス、トーシンブリザード、そしてフリオーソ。ただし、互角に渡り合えたのは第3回のトーシンブリザードまで。第4回以降で勝ったのはフリオーソ1頭で、先日の帝王賞勝ちはJRAも含め、あの世代のトップレベルであることを証明したようなレースだった。そして今回。やや小粒な印象は否めないが世代の頂点を極める一戦であることに間違いはない。全国のさまざまなトップを集めた�1決定戦。ここから大きく飛躍するための夢の扉を誰が開くのか。未来はその後ろに大きく広がっている。 ■栄光へ最短距離 バーディバーディ ▼近年地方勢はフリオーソ以外勝負になっていないジャパンダートダービー。今年もやはりJRA勢が中心だろう。まずは例年活躍するユニコーンS組。勝ったバーディバーディは直線豪快に突き抜け、着差以上のインパクトがあった。すでに兵庫CSなど交流での実績も十分。初の大井、初のナイターに戸惑わなければ上位争いになる。父ブライアンズタイム。大レースでの底力、成長力は折り紙つきだ。 | ■上積み注目 バトードール ▼バトードールはユニコーンSはいい目標になった印象もあったが、キャリアを考えれば十分合格点。その前の端午Sは大外枠、スタート不利を克服しての勝ちで中身が濃い。父クロフネの大型馬で、いかにもダート向きのパワーランナー。すでにダート1800を2勝。距離は延びるが問題はないだろう。まだまだ上積みが見込める馬体、血統。 | ■出撃準備万全 コスモファントム ▼重賞勝ちこそないが、すでにG�、G�で2着があるコスモファントム。ダートで初勝利以降は芝路線。クラシックへの登龍門として名高いラジオNIKKEI杯でヴィクトワールピサのクビ差2着はまだ記憶に新しいところ。春前半は脚部不安もあり皐月賞は間に合わなかったが、休み明けの京都新聞杯2着後ダービー挑戦。敗れはしたものの、0.9秒差なら、路線こそ違っても今年のメンバーなら能力上位としていい。少なくともダートは苦にしない。 | ■奇跡を起こせ ミラクルレジェンド ▼放牧で実が入ったミラクルレジェンドは、休み明けの未勝利⇒500万⇒1000万と3連勝。すべて上がり36秒台という桁違いの爆発力を見せた。初コース、初ナイター、牡馬一線級相手だが、可能性は秘める。ポイントは馬体重。前走からさらに減るようだと不安も残る。 | ■ダートで一変 トーセンアレス ▼皐月賞、ダービーとも大敗のトーセンアレスだが、ダートは4戦3勝。敗れた1戦となった2月のヒヤシンスSもバーディバーディに0.3差だった。ちなみにこの時はマカニビスティーにハナだけ先着している。父アドマイヤドンはJBCクラシック3連覇を飾った稀代のパワーホース。ダートなら一変する可能性。残るプレファシオも全3勝ダートというパワーランナーだが、前走時計でようやく肩を並べるところまできたというだけ。このレベルに入ると見劣りする。 | ■虎視眈々 ガナール、マグニフィカ ▼南関勢では東京ダービー2着のガナールと3着マグニフィカが上位進出を狙う。マカニビスティーをしぶとく追い詰めてきたガナールはこれまでの不振が嘘のような快走。2歳時は夏から秋にかけて3連勝。その後不振が長引いたが、暖かくなって旬を取り戻したとなれば軽視はできない。なお上がり37秒8は勝ったマカニビステイーに次ぐ優秀な数字。マグニフィカは2歳優駿大敗後思い切って休ませたのが好結果。東京湾Cではブンブイチドウをちぎる圧勝で鮮やかに復活して見せた。東京ダービーは最後脚いろこそ鈍ったが、見せ場十分の内容。フリオーソの帝王賞制覇で勢いに乗る川島正行厩舎だけに怖さはある。ここも前々で勝負。ドラゴンキラリは大崩れは少ないものの、このレベルに入っては恵まれて入着程度か。 | ■他地区のダービー馬も参戦 ▼他地区組では東海ダービー馬エレーヌと岩手ダービー馬ロックハンドスター。特にロックハンドスターは〔8210〕で、ここ3連勝もすべて楽勝という岩手チャンピオン。エレーヌは関東オークス6着が現時点での力関係だが、牡馬相手にダービー制覇は並みの馬にできる芸当ではない。ともにレベル差はあるにしても、どんな走りを見せるか楽しみだ。 | ■頂点はスタート地点 ▼過去の優勝馬にはゴールドアリュール、カネヒキリ、フリオーソ、サクセスブロッケンなど、やはりビッグネームが並ぶ。しかし、負けた馬にもバンブーエールやユートピア、スマートファルコン、ボンネビルレコード、スーニら、後のタイトルホースがズラリ顔をそろえる。勝った馬はもちろん頂点に立つが、そこですべてが終わるわけではない。大事なのは、そこからさらにステップアップできるかどうか。彼らはこれから続く長い戦いの、まだスタート地点に立ったばかりである。 | |
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