| 日本競馬史上初の１日にＧＩが３レース。１１月４日は金沢競馬場だけでなく、日本競馬界にとっても歴史的に日なる。
近年日本のダート界のレベルは確実上がっていて、様々なグレードレースを各々が制し、実績を重ね、力をつけ大舞台に集うことは本物の力勝負を体感でき、非常に興味深い一戦になるのは間違いない。またJBCでは中央勢に押されがちだが、今年は共に地方デビューの生え抜きでラブミーチャン、セイントメモリーと中央交流のグレードレースを制している地方所属馬の出走も更に楽しみを倍増させる。牝馬のダート路線にＧＩができたことも画期的で、牝馬のレベルも上がっているし、路線が整備されたことでダートで活躍する牝馬が今後更に増えることも予想される。
今年のJBCは色々な意味で歴史に刻まれるレースになることは間違いなく、いち競馬ファンとしてこんなに贅沢な１日を目の当たりできることを幸せに思う。
第13回ＪＢＣクラシック
11月4日（祝・月）金沢競馬 第10Ｒ 15時40分発走 サラ３歳以上 地方・中央選定馬 定量 右回り2100ｍ
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中央出走馬は５頭とも重賞勝ちがあり、４頭はG1勝利があるハイレベルな一戦。非常に力関係は拮抗しており、このレースを制することは大きな意味がある。地方所属馬にはやや分が悪いレースになりそうだ。
■連覇を狙う ワンダーアキュート
 ▼ハイレベルな戦いの中、今年は２着１回３着２回と、あと一歩で勝ちを逃していたワンダーアキュートだが、前走はトップハンデを背負って着差以上に強い競馬で昨年のＪＢＣ以来の勝利をあげた。距離、展開不問の安定感が身上で、遠征も苦にせず実にタフ。昨年とコースは変われど、唯一資格を持っている連覇に挑む。 |
■勢いは本物 クリソライト
 ▼９戦４勝２着５回とここまでパーフェクトの戦績を誇るクリソライト。未勝利勝ち後は惜しい競馬が続いていたが、ぶっちぎりで2勝目をあげた後から連勝。とりわけ初重賞制覇となった前走のＪＤＤでは2着を７馬身ちぎる大楽勝と勝ち癖がついたことで、走りに凄みが増してきた。初めての古馬との戦いだが、一気の戴冠も十分ありえる。 |
■兄に次ぐ兄弟制覇を目指して ソリタリーキング
 ▼昨年の日本テレビ盃以降結果が出ていなかったソリタリーキングだが、マーキュリーカップを制し前走もワンダーアキュートと接戦の２着と上昇気流に乗ってきた。偉大なる兄ヴァーミリアンはＪＢＣクラシックを３連覇と歴史に残る名馬。近走は走りに気力が見られ兄弟制覇に向けて視界は良好だ。 |
■前哨戦を叩き、目指すタイトル奪取 ハタノヴァンクール
 ▼前走は僅かに逃げ馬を捕らえられなかったが、６０キロの斤量を考えれば全く悲観する内容ではなく、本番と同舞台を叩いてしっかりと照準を合わせてきたハタノヴァンクール。今年は川崎記念を制し、長めの距離は得意の条件。今回は５７キロで臨めるし好勝負必至だ。 |
■絶対王者へ向け、巻き返す ホッコータルマエ
 ▼前走南部杯２着で６連勝はならなかったが、今年に入っての充実ぶりは群を抜いているホッコータルマエ。前走も直線に入って馬群に沈みそうかと思いきや、この馬らしいしぶとさで勝ち馬に迫った内容は強さを感じさせた。帝王賞に次いでビッグレースを虎視眈々と狙う。 |
第13回ＪＢＣスプリント
11月4日（祝・月）金沢競馬 第9Ｒ 14時55分発走 サラ３歳以上 地方・中央選定馬 定量 右回り1400ｍ
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ＪＲＡ勢は快速馬ＪＢＣスプリント。小回りの千四がポイントになるが、やはり先行馬有利は変わりないか。５連勝で乗り込む地方所属馬セイントメモリーの参戦も非常に興味深い。また、タイセイレジェンドは同レース連覇を狙う。
■快速健在 エスポワールシチー
 ▼南部杯では連勝中のホッコータルマエとの一騎打ちを制し、勢いに乗っての参戦となるエスポワールシチー。これまでマイル〜二千を中心に使われてきており、千四は３歳以来と久々になるが、スピード兼用型の同馬にとっては、少なくとも二千よりは向く印象で、それほどのマイナスイメージは沸かない。前走に比べれば相手関係も若干緩和した感じもあり、能力全開なら再度圧倒のシーンが見られるだろう。 |
■王者は俺だ タイセイレジェンド
 ▼タイセイレジェンドは前走、大外枠からスタートを決めると58キロを背負っているにも関わらず抜群の行きっぷりで先行集団へ。４角を抜群の手応えでまわり、数字通りの圧勝劇を飾った。昨年の川崎ＪＢＣスプリントの覇者で、千四はもちろん守備範囲内。自分の形に持ち込めれば実力的には連覇しても不思議はない。 |
■切れ味抜群 テスタマッタ
 ▼前走も休み明けとしては合格点がつけれる好内容だったテスタマッタ。道中行きたがる気性だけに千四という距離はむしろ合う。先行馬がそろった今回はハイペース濃厚で、フェブラリーＳを楽勝したような一気の末脚が決まる可能性も。 |
■安定株 セイクリムズン
 ▼勝ち星こそ３月の黒船賞から遠ざかっているが、マイル以下の距離ならまず崩れないセイクリムズン。重賞８勝の実績はここでも光るし、タイセイレジェンドに離されたとはいえ昨年同レース�着。小回り、距離短縮はプラスで一発があっても驚かない。 |
■初ダート克服なら ドリームバレンチノ
 ▼今回が初ダートになるドリームバレンチノ。芝での実績はいうまでもないが、今回は地方の深いダートをどうこなすかがカギとなる。血統的にはこなせる感じはあるが、強敵相手にどこまでやれるか。 |
■大井期待の星 セイントメモリー
 ▼重賞３連勝を含む目下５連勝と破竹の勢いでＪＢＣに挑戦するセイントメモリー。前走は斤量差があったとはいえ、タイセイレジェンド以下ＪＲＡ勢を寄せ付けない完勝劇。大井デビューの生粋の地元の生え抜き馬が中央交流レースを勝ったのはアインアイン以来の快挙だ。輸送も問題なく、ここでもスピード負けしない。ここも注目の存在だ。 |
第３回ＪＢＣレディスクラシック
11月4日（祝・月）金沢競馬 第8Ｒ 14時10分発走 サラ３歳以上牝馬 地方・中央選定馬 定量 右回り1500ｍ
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近走の勢いと今年の充実度ではメーデイアは一つ抜けている。前走で復活の兆しが見られたクラーベセクレタも注目。中央は先行馬がそろいハイペースは間違いない。展開一つでは無欲の追い込みが決まる展開も十分ある。
■ダート女王 メーデイア
 ▼今年１月のＴＣＫ女王盃で重賞初勝利を飾ってから一気にダート界の女王になったメーデイア。交流重賞は４戦４勝、全て完勝と相手を寄せ付けない強さ。小回りコースや遠征を苦にするタイプではなく、今回も死角は見当たらない。初めてのＧＩになったレディースプレリュードで初のＧＩタイトルを手にする可能性が高そうだ。 |
■末脚魅力 アクティビューティー
 ▼今年は終いを生かす競馬で交流重賞２着２回と実績を重ねてきたアクティビューティー。今回のコース形態はやや忙しい印象もあるが、先行馬がそろっていて展開がはまれば一気の台頭もある。 |
■充実一途 キモンレッド
 ▼前々走は人気薄で１６００万下を勝利、前走はＯＰ挑戦で３着とフロックでないことを証明したキモンレッド。相手は上がるが、今の充実ぶりなら好勝負になる予感も十分。血統的にも地方のダートは合うし、先行力と充実ぶりを生かせれば一発も。 |
■一気の逃げ サマリーズ
 ▼未勝利戦でダートに挑戦後３連勝で全日本２歳優駿を制覇と高いダート性能とスピードを秘めているサマリーズ。その後芝挑戦で結果が出せずユニコーンＳも惨敗したが、スパーキングサマーカップでメーデイアに１馬身差の２着と健闘。今回も先行争いがカギになるが思い切った競馬で再度メーデイアに肉薄できるか。 |
■力をつけた ハードデイズナイト
 ▼３歳牝馬ながら古馬の重賞を制覇し、そのパワフルな末脚で南関東短距離界のトップクラスに上り詰めたハードデイズナイト。前走はさすがに相手が強く連勝は止まったが、スピードは互角だったしいい経験。今後の南関東を担っていく１頭だけにどこまでやれるか楽しみだ。 |
■輝きを取り戻す クラーベセクレタ
 ▼昨年のＪＢＣレディースクラシックでは女王ミラクルレジェンドと０.２差の２着。地方だけでなく中央馬相手にも一歩も引けをとらない戦績だったクラー ベセクレタ。今年に入って本来の姿が見ることができなかったが、立て直した前走、久々にこの馬らしい走りで復活をアピールし、再び上昇気流に乗ってきた。実績は言うまでもなく、ここでは最上位の存在。立ち直ればメーデイアに引けをとらない力を持っており、メーデイアにストップをかけ、再び輝きを取り戻せるか注目の一戦。 |
■展開に注文 トシキャンディ
▼昨年の７月、プロキオンＳを１２番人気で逃げきって重賞初制覇したが、以後成績は低迷。牝馬同士の一戦で逃げてどこまで粘れるか。 |
 市川 俊吾 Shungo Ichikawa
［大井トラックマン］大井取材ノート担当
競馬をクールに語る若者は増えてきたが、そういう風の向きとは正反対。常に熱く、のめり込むほどの競馬優先の生活が楽しくて仕方がない。馬券は誰も思いつかない穴馬を思い切り狙う直球勝負。久々に熱を感じる存在だ。プロスポーツでは野球、楽天の大ファン。日刊競馬ＰＯＧの放談Ｉとは彼のこと!? |
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